平成30年度さつき会特別講演のご報告
鶴澤寛也先生のご講演は、三味線の生演奏や舞台映像を交えながら、古典芸能やその楽しみ方についてお話しいただき、非常に楽しく学ぶことができました。
まず、女流義太夫節は、浄瑠璃の一種で、女性の語りと三味線弾きで演奏されます。大阪弁の語りに三味線の演奏が加わって、実際の演奏はとても迫力がありました。ただ、演奏と語りを合わせるのではなく、語りの内容や雰囲気に応じて、演奏の強弱やスピード感、音色に変化があり、語り手と三味線が一体となって作り上げていることをすごく感じられました。
ご講演の中で印象深く感じたのは、三味線でさまざまな表現を演奏していただいたことです。「泣く」という一つの感情でも、様々な表現の仕方がありました。子供なのか大人なのか、わめいているのかひっそりとなのか、など日本語でも「泣く」一つの言葉でいろいろな情景が思い描けるように、演奏でも違いがあり、音楽でも情景を描くことができることに驚きました。また、動物の表現の演奏もあり、トラや蛇、キツネなどその動物をイメージできるような演奏があり、音で表現することの面白さを感じられました。
古典芸能というと、少し堅いイメージがあり、触れる機会が中々なかったのですが、鶴澤寛也先生の素晴らしいご講演でその面白さを学ぶことができたこと、大変嬉しく思います。鶴澤寛也先生、貴重な機会を有難うございました。
11期生 村田 恵理