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令和元年度さつき会留学支援基金報告

さつき会留学支援基金報告 OH12期生 原田馨子

私は2018年9月15日から21日にかけて、タイのマヒドン大学にて研修をさせていただきました。今回の研修内容は大きく分けて、マヒドン大学サラヤキャンパスでの実習、マヒドン大学付属病院での実習、タイ郊外保健センター見学、デンタルナース(歯科衛生士)養成所、バンコクの開業医の見学です。

2週間の研修期間中は主にマヒドン大学の学生と過ごし、たくさんの経験や感動を味わいました。マヒドン大学の学生とは歯科への知識、興味を深めることができただけでなく、人間的に知見を広げることができました。そんな2週間について報告させていただきます。

滞在中は、マヒドン大学サラヤキャンパスのゲストハウスに宿泊しました。マヒドン大学は音楽系の学部も活発であることから、初日の夜はマヒドン大学の学生たちのコンサートを聴きに行きました。

保健センターの見学では歯科清掃用具の管理体制や地域住民に合わせた口腔のケアの啓発活動、その計画立案について見学させていただきました。地域の人々の口腔内について丁寧に向き合う姿勢に感銘を受けました。

デンタルナース養成学校では実際の実習風景を見学しました。タイのデンタルナースとは、日本の歯科衛生士と非常に似ています。しかし日本の歯科衛生士と異なり、乳歯の抜歯や抜歯の際の麻酔を打つこと、レントゲン撮影、簡単な充填などが行えます。これはタイではバンコクに人口が集中しており、地方では歯科医師が不足していることが背景にあると教わりました。

今回の研修からタイではデンタルナースが地方でしか活躍できておらず、都心部で働けていないことは大きな損失ではないかと思いました。デンタルナースの重要性が普及し、制度が整って、活躍しやすい環境になると、タイの医療はより発展するのではと強く感じました。 今回さつき会の皆様からご支援をいただき、誠にありがとうございました。今回の研修に当たりお世話になったすべての皆様に感謝申し上げます。

 
さつき会留学支援基金報告 OH12期生 渡邉梨奈
 

私は2018年9月9日から29日の21日間、韓国の檀国大学歯科衛生学科にて研修をさせていただきました。日本と韓国の歯科衛生士の業務内容はほとんど共通しているため、教育のカリキュラムや実習内容も非常に似ていましたが、業務範囲の違いや社会的背景、大学の特色によって重点的に取り扱う内容が異なるとわかりました。例えば、韓国では歯科衛生士が歯科放射線撮影を行うことができるため、講義や実習が日本よりも多くありました。また、韓国では歯科助手という職業はなく、受付業務や患者管理も歯科衛生士の重要な役割となるため、「保健コミュニケーション」として患者との接し方や電話対応の方法などを学ぶ授業があったこと、保険点数の管理も歯科衛生士の業務として大きな役割になるため、「保険実習」という保険点数の入力に関する実習があることも特徴的でした。日本においては高齢化の課題から、高齢者や有病者に対する口腔のケアに関する授業や実習が多く、また大学の特色としてチーム医療に関する内容が多いことが特徴ですが、韓国ではこのような教育は行われていませんでした。このように、社会的背景などが教育および学生の関心へ影響をもたらしていることを実感しました。

これら以外にも、実際に同じ授業や実習を経験し、学生たちの生の意見から様々な考えや価値観を知ることができました。また文化交流という面でも、チマチョゴリと呼ばれる伝統衣装体験や伝統料理など様々な貴重な体験ができ、かけがえのない3週間を過ごすことができました。

このような機会をご支援くださった、さつき会の皆様に心より感謝申し上げます。この経験を今後の学習や臨床に生かすことができるよう、より一層励んでいきたいと思います。ありがとうございました。

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