さつき会留学支援基金報告 OH11期生 岡本遼
今回の研修では、2週間Trinity College Dublinに通い、主にDental Hygiene・Dental Nursingの学生の大学病院での実習や、大学での講義に参加しました。
Dental Hygiene courseは2年制であり、1学年7名しかおらず、その規模の小ささに驚きました。
自分で患者を担当する実習では、患者のニーズも様々であり、知的障害や身体障害を有する患者を診ている学生もいましたが、患者のほとんどが歯周疾患を有する患者でした。アイルランドでは頭頸部癌患者が増加しており、Head and Neck clinic という頭頸部癌患者専門の歯科外来が設けられ、その外来では、学生が頭頸部癌患者を担当することもありました。
医療制度や大学での教育制度など、多くの面で日本の制度との違いを発見した一方で、日本で私たちが学んでいる知識・技術は世界で通用するものであるということが私の中で一番大きな気付きでした。
そして、大学病院での実習期間中に、最も感じたアイルランドと日本との違いは、「コミュニケーションに対する価値観」でした。アイルランドでは、学生も患者とのコミュニケーションを密にとっており、診療中どのユニットからも会話が絶えず聞こえていた様子が印象的でした。日本でもコミュニケーションの重要性はよく言われていますが、どうしても「患者」に対しての情報集めになってしまっていると私は感じています。アイルランドの学生が患者を「患者」である前に、一人の「人」として患者を受け入れ、患者と楽しそうに雑談をする様子が私にとっては新鮮でした。
今回さつき会の皆様からご支援をいただき、誠にありがとうございました。今回の研修に当たりお世話になった全ての方々に感謝申しあげます。